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熊本での深夜酒類提供飲食店営業開始届出
2018年6月18日
こんにちは。こんばんわ。熊本の行政書士 山本隆之です。
今回は、風営法関係の中でも、我々行政書士が携わることが多い「深夜における酒類提供飲食店営業の開始届出」について書いていこうと思います。
私も、昨年までバーの経営に携わっていて、実際に自分で申請をしましたが、初めては結構大変でした。そのため、一般の方でも自分で申請ができるように「深夜酒類提供飲食店営業開始届出」の概要、やり方を書いていきます。
これから、バーなどを開業しようと考えている方はぜひ最後まで読んでしっかり学んでくださいね。
ちなみに、「深夜酒類提供飲食店営業」は「シンサケ」「フカザケ」と略して呼ばれることが多いです。
「深夜における酒類提供飲食店営業」とは??
まず、「深夜における酒類提供飲食店営業」とはどんな業態が当てはまるのでしょうか。
簡単にいうと、<深夜(夜0時以降午前6時まで)にお酒をメインで提供し、「接待行為」をしない飲食店>です。
ラーメン屋や牛丼屋などは深夜にお酒を出すとこもありますが、メインはラーメン、牛丼なので違います。また、接待行為を行わないため「風俗営業」とも異なります。
一般的に、スナック、バー、ガールズバー、ダーツバー、居酒屋などの業態がこれに当てはまります。
「深酒」に当てはまる場合は、管轄の警察署(公安委員会)に「営業開始の届出」をしなければなりません。届出なので許可のような審査はありませんが、この届出も「風営法」で規制の対象になっているため、なめてかかるとなかなか簡単にはいきません。風俗営業と同レベルの図面や様々な添付書類が求められており、要件を満たしてない場合は、届出が完了しないことや取り下げになることがあります。
そのため、慣れていない方が自分でやろうとしたら、オープン前の忙しい時期に何度も警察署に足を運ぶ羽目になるでしょう。実際に当事務所のお客様で多いパターンが、「深酒」の届出を簡単に考え、何度も「再提出」になり、オープン日が迫ってきたため、慌ててぎりぎりになって駆け込んでくることがあります。
オープン前の大事な時間を潰さないために最初から風営法専門の行政書士に依頼することもアリです。当事務所では、図面作成から書類収集・作成を任せられるため、お客様のすることは印鑑を押すのみです。気軽にお問い合わせください。
届出の要件とは・・・
では、届出の要件にはどのようなものがあるか見ていきましょう。
①営業地域の要件
深夜営業を行うことができない用途地域内に営業所がある場合、届出することはできません。「届出に行って初めて気づく」ということがないように、店舗を決める前に市区町村役場で用途地域の確認が必要です。
営業可能な地域
・商業地域
・近隣商業地域
・工業地域
・準工業地域
の4つです。ほとんどの場合は、商業地域又は近隣商業地域での営業でしょう。上記以外の住宅集合地域等では営業できないので注意してください。
②保全対象施設
「深酒」には、保全対象施設はありません。
③営業所・設備の要件
「深酒」にも、営業所・設備の要件が定められています(規則99条)。
◎人的欠格事由はない
「深酒」には、人的欠格事由はありません。この点、風俗営業の人的欠格事由と同じだと勘違いしている人も多いので注意してください。
《風営法違反の罰則》
「深酒」は風俗営業ではないので「接待行為」は一切できません。「深酒なのに接待をしてしまった」というのが最も多い違反のパターンです。
「自分の店はガールズバーだから風俗営業ではない」という業態で見るのではなく、あくまで「実態」で判断してください。
ガールズバーでも接待をしているのであれば、「風俗営業」に当てはまります。深夜に酒を出し客に遊興させているのであれば、「特定遊興飲食店営業」になります。
よくあるのが、「深夜酒類提供飲食店営業」として届出をしているのに、従業員が接待行為(客とデュエットなど)をしているというケースです。
この場合、このお店は風俗営業の『無許可営業』となり、ある日突然警察から「風営法違反!!」と指摘されてしまいます。
無許可営業は風営法違反の中でも最も重い罰則(2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又はこれの併科)が適用されます。
しかも、この罰則だけでなく、5年間は新規に風俗営業の許可申請ができなくなります。当然ですが、「知らなかった!!」という言い訳は一切通じません。
風営法を甘く見らずに、自分のお店の実態は何かを把握して、しっかりとした対応をしましょう。
届出の流れと必要書類
まず、「深酒」も飲食店なので、届出には飲食店営業許可書のコピーを添付します。飲食店営業許可書は、現地調査の後、受け取りまで1週間から10日程度かかることがあるので先に取り掛かりましょう。保健所の受理証明書で届出の受付をしてくれる警察署もあるので、時間がかかりそうなときは事前に確認してみるといいでしょう。その場合は飲食店営業許可書が発行されてから改めてコピーを提出する必要があります。
◎深夜営業開始10日前までに届出が必要!!
深酒の届出は、深夜営業開始の10日前までに行う必要があります。希望日から逆算して、いつまでに届出が必要か確認してください。余裕を持った日程で!!
なお、深夜0時までの営業であれば届出前でも営業できます。また、深夜にお酒を提供しなければ、深夜営業も可能です。
必要書類
※「深夜における酒類提供飲食店営業開始届出」に必要書類は管轄の警察署によって多少変化します。事前に確認をしたほうが良いでしょう。
法定書類以外でも提出を求められる書類もあります。上記ではメニュー案や使用承諾書、誓約書などです。法定書類ではないが添付するべきであると思います。使用承諾書は物件契約書で代用できたり、誓約書は管轄の警察署によってオリジナルのものがあったりします。届出当日に用意できなくても、真摯に対応して「後日持って来ます」などで受け付けてくれる場合もあるそうです(私は全て用意していくのでわかりませんが、、、w)。
このように、「深夜酒類提供飲食店営業開始届出」は届出だから簡単というわけではなく、風俗営業許可申請と同レベルの必要書類があります。初めての方が全て自分でするためには、かなりの労力が必要です。
「めんどうだ・・・」「時間がもったいない・・・」と思われる方は、風営法専門の行政書士に依頼しましょう。
当事務所では、面倒な書類集めや図面作成をお客様の代わりに代行いたします。最後に印鑑を押すだけですので、オープン準備や宣伝に時間をお使いください。まずは、お気軽にお問い合わせください。詳しくはこちら!!⇒https://office-gyosei.com/fuei/