こんにちは。熊本の行政書士 山本隆之です。
今回は、”風俗営業許可申請の流れ”と”必要な書類”について説明しようと思います。
ここではざっくり概要を理解して「全体の流れ」を知ってもらえればOKです。実際には、ここに書ききれないほどの作業量とノウハウが必要です。
やってみるとわかるんですが、一つ一つの作業は結構面倒で、忍耐力が必要になってきます。必要書類が揃ってないと申請担当官に追い返され、何度も警察署に通うことになります。
そうならないためにも、概要と流れを理解してスムーズに申請できるようにしましょう。
~許可申請の流れ~
1.各種チェック・調査
風俗営業許可をとるためには、まずは3つの要件をチェック、調査する必要があります。その3つとは、「人」「場所」「営業所」です。詳しくは、「風俗営業許可~3つの要件とは?~」をご覧ください。
「人」の要件は、申請者が過去に犯罪歴がないかの調査が必要です。申請が法人であれば、役員全員を確認することになります。「昔、警察にお世話になったことがあるけど、時期などは覚えてない・・・」などの不安がある方は事前に警察に相談するほうがいいでしょう。
「場所」の要件は、店舗の場所が何の用途地域にあるかを調べてください。住居地域では営業ができません。
営業ができる地域にあるとわかったら、次は保全対象施設の調査です。ゼンリンの地図を用意して、営業所から100メートルまでの範囲を歩いて、学校、病院、診療所、児童福祉施設、図書館がないか調査します。地図やネットだけの情報では、最新の情報でない可能性もあるので、必ず自分の目で確認することが大切です。事前に市区町村役場、保健所などで情報をもらうのも有効です。
「営業所」は、内装が設備基準に違反してないかをチェックしなければなりません。面積、見通し、照度、防音などかなりの細かいところまで確認する必要があり、皆さんここが一番頭を悩ませるとこです。VIPルームを作りたいが面積は?おしゃれな雰囲気を出したいが明るさは大丈夫か?など。
申請の時、嘘ついても検査があるため、そこで指摘されやり直しになります。時間だけを無駄にするのでしっかりと確認しましょう。
2.店舗を借りる
「3つの要件」の調査をクリアしたら、ようやく店舗の契約です。先に店舗を契約して調査をする方もいますが、もし要件に引っかかってしまったら取り消しなどをすることになる場合があるので必ず事前に調査をしましょう。
不動産会社や物件のオーナーさんと良い関係を築けていたら調査、申請が終わるまで家賃を待ってくれるとこもあるので交渉してみるのも手ですね。
ここで気を付けることは、居抜き物件で「前の店も風俗営業許可を取っていたから大丈夫だろう・・」と思い、調査を怠ることです。実は、無許可営業だったり、許可を取得した後に内装工事をしてる可能性も考えられます。
3.店舗の測量
店舗の契約が済んだら、図面作成ために中をくまなく計測します。
メジャーだけだと長い距離の場合、歪んだり、人手が必要になります。申請の後の実査ではセンチメートル単位のズレまで指摘されます。担当官はレーザー測量機を持って来ます。当事務所でもレーザー測量機で測量しますが、これがないとまず厳しいでしょう。自分で測る場合はレーザー測量機を買うことをお勧めします。値段はピンキリですが、安いものは1万くらいであります。
この測量は、慣れないとどこを測ればいいのか分からず時間がかかります。でも大事な作業なので、正確、丁寧に取り組みましょう。
4.飲食店営業許可申請
風俗営業もお酒などを提供する飲食店なので、飲食店の営業許可が必須です。
風俗営業許可申請のための図面類の作成と並行して、飲食店営業許可申請の準備を進めましょう。飲食店営業許可申請にも図面添付が必要ですが、調理場の設備とトイレ周りが分かる程度のもので構いません。
この申請は管轄の保健所にて行います。事前相談も含め、何度か保健所に行くことになるので結構面倒です。また、保健所の店舗検査もあるので、許可証がもらえるまで1~2週間程度かかります。素早く申請をしないと、風俗営業許可申請が長引くことになります。
飲食店営業許可申請で気を付けるべきことは、申請書の記載内容に細かい点まで注意を払うことです。飲食店営業許可申請の記載事項と風俗営業許可申請の間には整合性がないといけません。例えば、営業所の住所です。「~○○〇番地○○号」を「~〇〇〇ー○○」と記載したらダメというような感じです。保健所は「○○ー○○」で通りますが、風俗営業許可申請では、正確に住所を記載しないといけないので「○○番地○○号」などで記載してくださいと言われます。飲食店営業許可を変更しなくてはいけなくなったりする場合があるので、注意しましょう。
5.保健所の店舗検査
飲食店営業許可の申請をする際に、保健所の店舗検査の日取りを決めます。飲食店営業許可と風俗営業許可は書類を提出したら終わりではなく、その後に「店舗の検査・チェック」があります。実際に店舗に見に来られるので、立ち合いが必要です。風俗営業許可ほどは厳しくありませんが、担当者次第で厳しさが変わります。消毒設備が固定でなければNGだったり、ポンプ式のものでもOKだったりバラバラです。これは、実際に検査を受けてみないとわかりません。
この検査で特に問題がなければ、「飲食店営業許可書」が交付されます。この許可を取得してようやくスタートラインに立ったようなものです。
6.書類集め・作成&図面作成
風俗営業許可申請には、申請書類の他に様々な添付書類が必要です。熊本の必要書類をご紹介します。
これだけの書類が必要になってきます。行政書士の私ですら初めての申請の時は、かなりの労力と時間がかかりました。これをオープン前の大事な時期に自分で申請しようとするととてつもない時間がかかる可能性があります。
中でも、平面図などの図面作成が特に大変です。正確な図面が必須になるので、基本的に図面はCADやイラストレーターを使って作成します。建築関係などで仕事をしたことがある人は使ったことがあるかもしれませんが、初めての方が作成しようと思うとCADを使えるようになるのですら何日もかかるでしょう。ちなみに、手書きだと申請すら受け付けてくれない場合があります。初めての方が一発受理なんてことはまずあり得ないと思ってください。何回も警察署の往復を覚悟しておいたほうがいいでしょう(笑)。
他にも、本籍地でしか取得できない「身分証明書」や法務局で取得する「登記されていないことの証明書」など初めて聞くって書類もあるのではないでしょうか。
当事務所では、これら全ての書類取得も含めて専門の行政書士が対応致します。依頼者は印鑑を押すだけですので、ここまで読んで「大変だ!!」「面倒だ!!」と思った方は最初から当事務所に「丸投げ」もアリです。お気軽にお問い合わせください。
7.風俗営業許可申請
必要書類が全て揃ったら、警察署に提出です。まずは、行く前に電話で予約をしましょう。担当官も様々な仕事をしているので、いつもいるわけではありません。いきなり行っても不在だったり、予約してから来てくださいと言われることがありますので。。。
申請の際には、全ての書類をくまなくチェックされます。そして、担当官からいろいろと質問をされますので、しっかりと答えれるように準備をしていきましょう。念のため、訂正等があった場合に対応できるように、訂正印を持っていくようにしてください。
8.実査
申請書類に問題が無ければ、実査の日程を決めてもらいます。大体、申請して2週間~1か月の間に、所轄警察署・風俗環境浄化協会の担当官によって、営業所の構造や設備が許可基準に合致しているか細かく(厳しく)チェックされます。レーザー測量機を持ってこられるので、適当に図面などを作成しているとすぐにバレます。向こうは風俗営業許可のプロ中のプロです。厳しく言われることもあるかもしれませんが、言われることにしっかりと耳を傾けましょう。担当官は敵ではありません。健全なお店を創る味方だと思ってください。
9.風俗営業許可通知・許可証交付
実査も問題なく済めば、しばらくして警察から許可の連絡が来ます。許可年月日と許可番号を忘れないようにメモしておきましょう。許可証はまだ交付されてなくても、この時点から風俗営業を開始できます。申請からここまでは約55日かかると思いますので、「ようやく一安心」ですね。
そして、しばらくして、許可証が交付されます。営業所の見えるところに掲示する必要がありますので、注意してください。
風俗営業は許可が降りてからもしっかりと風営法を守って、営業していくことが大切です。中には、「許可を取得したらこっちのもの」といって基準を守らない店もあります。店舗の内装などが大幅に変わる時などは変更届が必要です。この記事を読んでいる方には、風営法を理解して、健全な営業を心がけて欲しいところです。
さて、長々と書きましたが、風俗営業許可申請の流れはざっくりとわかりましたか??
この申請は我々行政書士業務の中でもレベルが高い業務です。一般の方が申請するのはとても大変でしょう。それでも、自分でしたいという勇者は気合を入れて頑張ってくださいね!!
当事務所に依頼すれば、面倒な書類集めや図面作成から申請、実査立ち合いまでフルサポート致します。お客様は印鑑を押すだけです。オープン準備等にしっかりと時間を作れるようにお手伝いさせてください。まずは、お気軽にお問い合わせください!!
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